後藤羽矢子です。
ディストピアの王感想に入ります。
ピルスラといえばゲーム内のシステムはこれ以上ないくらい快適なのに、ゲーム周りのシステムが全然快適じゃないことで有名ですが、今回のインストールはなんとDMMのアカウントと連携させるという謎システム。
私は幸いすでにDMMにも登録してたし、ソフト電池ランタイムもインストールしてあったので、滞りなくインストールできましたが、けっこうてこずっている人も多かったみたいです。でもこれでやっっっっっっっっとディスクレスでプレイできるようになったのでよかったです。
本当にディスクレスでプレイできないのストレスだったから…。
それはともかく感想です。
前情報は近未来の東京を舞台にしたバンドもの……?というぐらいしかなかったので、けっこうまっさらな気分でスタート!
時は近未来、ところはトウキョウ。この場所は富裕層が住むA地区と、それをドーナツ状に取り囲む貧民層が住むZ地区とに分けられていた。
主人公印我桐久くんはA地区の住人ながら、美容院で髪を銀髪に染めてからZ地区への家出を目論んでいた。
ふたつの世界を仕切る高いフェンス(高圧電流稼働中)、フェンスの向こうには幼馴染の鍬形半左くん。
ふたりは幼い頃たまたまフェンス越しに出会い、フェンス越しに喧嘩をし、そしてフェンス越しに友情を深めてきた。
そして半左くんは桐久の家出をサポートするために改造ポゴスティックを作成。
無事その馬力で跳躍した桐久くんはフェンスを飛び越えることができたのでした。
こんなわずかなシーンだけでも桐久くんのヤバさがひしひしと伝わってくる…。
そう。桐久くんは変なヤツなのです。
こんなクセの強いBLゲーの主人公初めて見た…。
いやトワも相当クセ強いけど桐久はまた別ベクトルというか…。
桐久くんは大昔のカリスマロックスター、メレに心酔してギターに傾倒。音楽プロダクションのオーディションに自作自演奏のデモテープを送るも落選通知とともに送り返される。初めての挫折を味わった桐久くんはロックスターになるには、底辺から苦労を味わってのし上がらないとダメなんだと家出&都落ちを決意したとのこと。
実際底辺にいる半左くんからすれば「なんやそら!」ってなりそうなもんですが、桐久くんの人となりをよく知ってる彼は「なるほどね~」と大人の対応。あまつさえ、まったくノープランな桐久くんに「だったらうちのバンド入らないか」とお誘い。
うちのバンドは趣味のものだし、プロになりたいお前とはスタンスが違うけど、音楽仲間と接することでいろいろ得るものもあるんじゃないかと言う半左くんに、渡りに船だとバンド入りを決意する桐久くん。
桐久くんはド級の自信家で自分に対する賛美をしょっちゅうダダ漏らせてますが、人に対しての言葉も惜しまない人で半左に対しても
「お前という親友を持てて、俺は本当に、非常に最高に幸せ者だとしみじみ思うよ」
「感謝で胸がはち切れそうだよ。手を握らせてほしい」と言い募ります。
桐久くんのこういうところ、好ましいなと思いました。
ところでこのバンドですが。
イケメンな半左くんのやってるバンドとなれば他のメンバーもサブキャラ人気の出そうなプチイケメンで揃えていそうなイメージがありますが、ホンゴウさん声のやや額が広いオジサンとネトルさん声のナードみのある青年。
この感じ……リアル~~~!!!
うちの妹も長らく趣味のバンドをやっていますが、本当に年齢も傾向もバラバラだったりするんですよね。特に趣味だとそうなりやすいのかも。
ニコニコと歓迎ムードのオジサン──九銛さんに対し、青年──雨鯉くんは、桐久の実力を早く見せてくれとぼそぼそと呟く。
そしていよいよ桐久のギターボーカルが火を吹くわけですが……。
このシーン……めちゃくちゃ笑った~~~!!!
いやもう、ちょっと嫌な予感はしてたんですよね…。
本人自信たっぷりで、周りも期待してるみたいな状況で、本当に上手かったら創作として流れが悪いな…ってやつ。
案の定、桐久くんのギターはど下手で、舌を出したり歯ギターしたりの陶酔パフォーマンスが浮きまくってる状態。
他のメンバーはもちろん、半左くんすら桐久の実力を知らなかったようで冷水を浴びせられたような反応。
自信マンマンで演奏をやり遂げた桐久くんに、雨鯉くんは「ど下手くそ」と直球の感想。
ここで逆ギレしたりせずに、その言葉を真摯に受け止め内省する桐久くん…。桐久くんが自信家の俺様でもいい子だなと思えるのは、こういうところなんですよね。
その後知り合いのバンドがライブをやるということで、親睦会も兼ねてライブハウスへ。
そこに出てきたのは、メジャーデビューの噂もあるという超人気バンド、コルチカム。
ボーカルの群沙木庵士くんの圧倒的な熱量に惹きつけられる桐久くん。
……ここが正直、庵士くんの一番かっこいいところだった…。
いや、その先の庵士くんがかっこよくないというわけじゃないんですけど!!
庵士くん、キレ散らかし系受難枠だった…(どういう枠だ)
ライブのあとの楽屋で桐久と庵士はバッティング。
何か桐久を知っていそうな素振りを見せる庵士ですが、桐久の「?」な反応を見るや一転、喧嘩腰になる。
ぽかんとなりつつも怒るでもなく相手の情緒を心配してあげる桐久くん、本当いい子だな…。
その後は何度も庵士くんとバッティングするイベントが発生し、そのたび繰り広げられる会話劇に爆笑。
庵士くんも充分にカリスマ性のある美形なのに、桐久くんパワーがすごすぎて、タラ~って汗流す人になっちゃってる…。
ところでこのお話。近未来を舞台にしたバンドサクセスストーリーかなと思っていたのですが。
水明くんの登場とともに、都市を司る巨大コンピューター「ユグドラシル」なるものが出てきて「あっ…これたぶん世界がどうとかレベルの話になるな」と察知しました。
ちなみに私がプレイしてるところを通りがかった家人が「ユグドラシルが…」の台詞を聞いて「なに?巨大コンピューター?」と言ったのでぶはっっってなりました。
やっぱりユグドラシルって言ったら巨大コンピューターだよね~~!!!
実際のところ、バンドサクセスストーリーはこの庵士くんのルートだけでした。
でも私は1ルートだけでもバンド話をがっりやってくれたのは嬉しかった。
BLゲーにわりとありがちなんだけど、最初に提示された目標や目的が話が進むにつれてうやむやになるの、苦手なんですよね…。
苦手というか創作としてのおさまりの悪さが気になるというか。
咎狗におけるイグラとか(これは移植版でやや解消されたけど)pigeonbloodのデスゲームとか。
最終的には当初の目的よりも、さらに大きな舞台に話がシフトする…となっても、最初の目的を完遂するルートがあると好感度たかまりますね。
それはともかく、李京さんの病院の厨房の仕事なども決まり、ようやく桐久くんのZ地区生活は軌道に乗り始めたのでした。
以下おりたたみー。以上に長い前置きになった…。
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