後藤羽矢子です。
以前ツイッターで推されているのを見かけてから、ずっと気になっていた韓国のBLアニメ「過呼吸」の日本語吹き替え版が出たというので、購入しました。
じつはこれまで韓流文化には全然触れずに来ていたのですが、初めての韓流がBLアニメ…。やはりBLはすべての文化の入り口になりうる…。
素晴らしい!!
前情報をほとんど入れずに観たのですが、元は1話3分ちょいぐらいのWebアニメを1本にまとめたものらしく、3分おきぐらいにいちいちスタッフクレジットが出るのがちょっと流れというか興を削ぐなあ…と思いました。そこは再編集してもよかったんでは…?
しかしそれを補って余りあるほどめちゃくちゃ素敵なアニメーションだった!
お話は高校時代に互いに秘めた想いを募らせていた二人が同窓会で再会し、想いを遂げるというシンプルなものですが、何がいいって、絵と色彩と光の使い方とディテールがいい。
同梱のフィルムコミックスの巻末にちょっとした設定資料集が入っているのですが、シーンごとにテーマカラーがあるとのことで、色彩でキャラの心情も表現してるのだと気づき唸りました。
構成は現在と高校時代の回想が入り代わり立ち代りといった感じで、冒頭はいきなり路地裏壁ドンキスで始まり、大人のムーディさと高校時代の眩しさの対比がいい。
主人公のミョンくん(受け)は高校時代、気胸を患っており体育もほぼ見学。攻めのソンホくんはいいガタイの文武両道の学級委員。
ある日咳が止まらなくなったミョンくんを保健室に連れていくソンホくん。保健室に先生はおらず、いよいよ咳がひどくなり過呼吸になってしまったミョンくんの口を大きな掌で覆うソンホくん。「過呼吸になったら息を止めてるとよくなるって」と。
この涙目で息を喘がせるミョンくんの表情がエロい。ソンホくんもそう感じたようで、口を押さえたことでミョンくんの唾液まみれになった左手をこっそり舐めたりします。フェチいな…。
それまでミョンくんのことをさして気にも留めてなかったソンホくんは、それ以来微妙に意識しだすようになり、ある雷雨の午後、逆光に映えるミョンくんの横顔の美しさに恋に落ちてしまうのでした。
ミョンくんは元よりソンホくんの着替え中マッスルに頬を赤らめたりするほど好意を持っていたわけで。
しかしお互い意識をしつつも、何もできないまま卒業してしまうのでした…。
で、現在の同窓会。ソンホくんの薬指に指輪があるのにショック受けたミョンくんは、外で煙草吸いつつやさぐれ。そこへソンホくんがやってきて…。
いきなりめちゃくちゃグイグイくるソンホさん(ここからさんづけ)!
「お前、俺のこと好きなんだろ?」
「気づいてたよ」
「酒飲みながらずっと俺のこと見てただろ?」
グイグイ迫りながら囁くソンホさん。
あー…大人になることで「そういうの」に気づくアンテナが立ったのですね…。そして行動を起こす勇気も。
ミョンくんは戸惑いながら、指輪のことが頭に引っかかっている。一度は拒もうとするものの「どうする?やめるか」と問われ、縋るようにキスを求めてしまう…。このキスの一連の動きが素晴らしかった。
そしてセックスに突入…!
このセックスシーン、けっこうがっつりやってる…。腰もバコバコ動かしててすごい。バックから挿入され「あああっ」と喘ぎながら背筋を反らせるミョンくんの動きがエロい。
全体的には止め絵も多いんですが、大事なところはすごく繊細な動きをしている。バックから挿入、ミョンくんの背を押しながら前倒しにし、ポジション整えるとことか細かすぎてオイオイ!と言いたくなりました。
そして甘い一夜を過ごしたあとの朝。ソンホさんが目覚めるとすでにいなくなっているミョンくん。
一夜の思い出で充分…みたいな諦念に浸っていると、ソンホさんのはずした指輪がミョンくんの薬指に!
返さなきゃと慌てて引き返すとマンションの前に立っているソンホさん。朝の光の中で抱き合うふたり…。
結局指輪はかっこつけのフェイクだったという、みんな最初からわかってたよね!的なオチでしたが、めでたしめでたし。
その後、同棲を始めたふたりの生活を描いた番外編も入っており、彼Tを身につけたミョンくんがシャツの匂いをスーはー嗅いでいたところに忘れ物をして戻ってきたソンホさん。ミョンくんが勃起しているのを目ざとく見つけ、そのまま朝エッチに突入という、BL好きからしたら馴染みの居酒屋で最初の一杯を呑むぐらいの五臓六腑染み染みエピソードですよ!!!
しかしこの部屋、すごいシャレオツなのに、ベッドの傍らにティッシュとローションが置いてあってリアル!!
そしてBLのお約束、スーツの上着は脱ぐものの、下はチャックからチンコ出しただけでやるやつ…。
これはいつ見てもズボンが汚れそうでヒヤヒヤするぜ…。
それはともかく、ミョンくんの手にソンホさんがちょっと指をそらしながら掌を重ね、そのままギュッと握りこむ動きがたまらない…。
やっぱりBLは手の動きが命ですよ…!
そんなわけで立て続けに3回観てしまった私です。
ところでソンホさんは何も言わずとも外見だけでエリートサラリーマンだな!!ってわかりますが、ミョンくんは何してる人なんだ?と思い設定資料を見てみたら囲碁のプロ棋士(九段)と書かれていて、あまりの意外性にブッッッッッフォォォとなりました。
ちなみに作中では囲碁のいの字も出てきません。
やっぱり子供の頃はヒカ碁とか好きだったのでしょうか。
きっとその可愛さから人気があるんだろうなとか、他の棋士から狙われてそうとか即座に色々受信してしまいました。
ところでフィルムコミックスですが。
なんか本編にないシーンがいくつもあるんですが。
なんなんだろうこれは……このフィルムコミックスのために描きおろしたのだろうか…。
でも正直言うとこっちを読んだほうが明らかにわかりやすい…。
そんなわけで大変眼福がキメられました。
あ!日本語版の吹き替えは、ミョンくんが佐和真中さんで、ソンホさんが柊三太さんでした。
佐和さんの演技は、えらく可愛らしい感じで逆に新鮮でした。
柊さんはもしかして初めての出会いかも…?でも男らしさとエロ味の混じったイケ声で脳内データベースに入力完了!
はあ…満足度が高い…。
フィルムコミックスとDVDがついて4400円はお買い得としか言いようがないので、興味ある人は是非買うべき!!
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