aim∴ai 総評
後藤羽矢子です。
攻略キャラふたりのゲームにずいぶん時間がかかってしまいましたが、aim∴aiやっと総評です。
シナリオはオール会話形式で、私はそういうゲーム初めてだったんですが、意外と楽しめた。
むしろ会話だけで、ロボット産業が社会に溶け込んでいる世界を細かに説明できていることに感心した!
システム面では最初のバグに目をつぶれば、セーブスロットも潤沢だし、わりかし快適でした。あと個人的な良ポイントとしてはフォントが可愛かった。
本当はフォントを変更できるのが一番いいんだけど、このフォントふぉんとーに目に優しくて可愛い感じでよかった。フォントも作風の一部だと私は思ってます。いまどきゴシック体オンリーとかせずに、もっと作風にあったフォントを提示していって欲しいですね
声優さんの演技もよかったです。
正直全員初見の方で、たぶんボイスコ方面の方々と思うのですが、演技にひっかかるところは全然ないししっかり萌えられた…。ボイスコの存在は橋姫で知りましたが、萌えの新たなる鉱脈だな…と思いました。
ネタバレに抵触しない感想はこのへんまでかな…。
以下おりたたみー。
会話だけで進行するシナリオは新鮮だったし、社会の構築もきちんとできてるような気がしました。ロボットに依存しつつも、ロボットに対しての畏れもあるし、いい人も悪い人もいる。
悪い人も、単純に無知な善人だったり、本気で嗜虐的なクズだったりと幅があります。
ただ、やっぱり会話だけだとタルい局面も多々あります。
ミドリルートの終盤あたりの、日常を重ねつつもじわじわとミドリが壊れていくところ。
あそこミドリとツグムの他愛もない会話を本当に数日ぶんダラダラ続けて「うぐあー」って気分にちょっとなった…。
地の文使えばもっとタイトにもっと不穏にもっと切なくできたのにー…と思ってしまった…。
私は面白い会話劇は好きですが、やっぱりメリハリって大事だと思う…。
あと……これすっごく言いづらいけど、絵がかなりヤバイ。
本当にこれくろさわさんの絵?と疑惑がわくレベルです。
つい数回前の記事で、絵師さんの絵は流動的なほうが好きだと言ったばかりですが、これは流動にもほどがあるだろ…みたいな。
ジャケ絵はわりといつものくろさわさんって感じですが、スチルはやばくない絵を数えるほうが早いぐらいの勢いです。
そりゃあ、私も絵を描いてる人間なんで、心身のコンディションによって絵に乱れが生じることは重々承知です。
くろさわさんが体調を崩していた時期を考えると、その頃に描かれた絵なのかなあ…とも思いますが、よくわからない…。
塗りが違うと印象も大きく変わったりしますが、正直これは塗りだけの問題ではない…。
線画の段階からヤバさが露呈している…。
しかし絵というものが生きた人間が生み出すナマモノであるということが、ひしひし体感できたのはある意味貴重といえるかもしれません。
絵も絵師も、決して一枚岩ではないのです。私たちが神絵に遭遇できるのは、一期一会の奇跡のようなものなのだと……そう痛感しました。
ぶっちゃけ、くろさわさんがこのレベルで安定してしまったらどうしよう…と慄きましたが、Cool-Bのイラストはいつもどおりだったのでホッとしました。
だからこそ、aim∴aiはどうしたんだ…と混迷が深まる…。
正直、怪作ではありますが、人物造形や萌えに好ましい部分は多いので、次回作があるならまたやってみたいなとは思いました。
次回作はバグもなく、健やかな感じでお願いしたいです。
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