aim∴ai 久矢ルート感想ネタバレ
後藤羽矢子です。
遅くなってすいません!aim∴ai久矢ルートの感想です。
攻略キャラふたりのうちの一人、そしてツグムの幼馴染。
ほお、ヒューマノイドと人間の二派かあ…。私は絶対に人間派になるだろうから久矢に行くだろうな…とプレイ前から思っていました。
果たして本当に久矢のほうに行きましたが、お話しは意外などんでん返しがありました。
以下おりたたみー。
久矢は食品加工会社の営業マン。明るく快活でほどよくイケメン。ミドリルートの感想にも書きましたが、このほどよいイケメン感にリアリティがある…。あとこのゲーム、仕事している人間の雰囲気の描写もなにやら妙にリアルで、ヒューマノイドがいる世界というのがあまりぺらくなく表現できてるなと思いました。
ツグムがヒューマノイドと暮らし始めたのが何やら気に入らないご様子の久矢。ミドリがヒューマノイドだというのにあまり家事が得意でないことを知ると、軽口に乗せて廃棄を薦めてきます。
ここで選択肢がでるのですが、安直に「ミドリルートと逆の選択してればええやろ」と思ってるとドツボに入ります。
そのへんについては後述しますが、ミドリに料理を指南するという名目で、ツグムの部屋にくる久矢。うどんとかチャーハンとか初心者にも簡単な料理指導しつつ、和気藹々のムード。
と感じたのも最初だけで、やっぱり久矢はチラチラとミドリが気に入らないオーラ出してくる。ミドリを名前で呼ばずわざわざ「ヒューマノイド」と呼んだり、ペットと言ったり。そしてツグムもその久矢らしくない一面に戸惑ったりする。
あー…これはヒューマノイドと人間のどろどろ三角関係くる~?と思いましたが、話は思いもよらない方向へ。
ある夜、久矢の家に食事に誘われるツグム。ここ最近の久矢の様子が変なことかな何か聞いて欲しいことがあるのでは、とツグムは誘いに応じる。
「何かあった?」と水を向けるツグムに「ミドリを捨てないか?」とストレートに切り込む久矢。「俺は…!あのヒューマノイドより高性能で、完璧だ!」と声を荒げる久矢に「あっ…」となる私。
しかしツグムは「……自慢?」とボケまくる。
イラつきながら久矢は「俺から自分で言うことは違反行為になるからできない!お前から気づいてくれないと!」と言う。
そしてヒントを出し続け、とうとうツグムに久矢がヒューマノイドであることに気づかせる。
これはけっこう、かなりびっくりした。
公式にある「ヒューマノイドと恋をする──」のキャッチが腑におちました。
これ見たとき、攻略キャラの片方が人間じゃ、ミドリの大勝利ってことなのかなあ…と思ってたから…。ふたりともヒューマノイドだったとは…。
そうしてもう一度プレイしなおすと、けっこう久矢が言葉の端々にヒントいれてるのがわかる…。
とりあえずツグムが情報開示を求め、これでやっと久矢は自分のことがせいせいと話せるようになりました。
久矢はヒューマノイド会社の最大手アグリムの最先端ヒューマノイドで、AIの人格形成の実験体でもあった。だから0歳からのまっさらな人格を擬似的に作り、成長に合わせてパーツを取り替えつつ「社会的に模範となる人格」の模索を続けているとのこと。
ツグムは呆然となるものの、ヒューマノイドに対しての拒絶感はなく、むしろ友達にずっと隠し事をされていたことに腹をたてたりします。
つまり最初のほうの選択肢はツグムがヒューマノイドに対して情があるかどうかの選択であって、ミドリ寄りの選択かと思ってたそれも久矢のための選択であったわけですねー。このへんのミスリードは上手いねどーも!
人間にヒューマノイドとばれないように造られている久矢は心臓も動いている。その鼓動を服の上から確かめながらツグムは「お前、俺のこと好きなの?」と久矢に問う。
「遅せえよ、気づくのが。何年待たせるんだ」と笑いながら言う久矢。
ツグムはそれに対し「今すぐ答えはだせないけどきちんと返事はする」と答える。
ヒューマノイドと恋愛とかありえんだろ…という考えが微塵もないツグムの誠実さよ…。
ミドリルートでは逆に久矢のほうが「ヒューマノイドと恋愛とかないだろ」的なことを再三言っていて、これが久矢の自虐であり諦念であると思うとせつないですね。
告白後、ふっきれた久矢は「俺は頑張って求愛するから品定めしてくれりゃいいんだ」と明るく言ってのける。
あ…この台詞いいね…。こういう何気ないのグっとくる。
ツグムも答えを決めなきゃと思いつつも、この関係の心地よさに「ずっとこのままがいいな」と思ったりする。
しかし何気ない会話のなかから「人間とまったく変わらない」久矢の「人間として扱われてない」姿が見え隠れしてきます。記憶も身体も会社に管理されていて、定期的に記憶の整理もされている。そのことにじわじわと胸を痛めるツグム。
そうこうしつつ、久矢の会社で久矢の邁進を妬む同僚(美形)が久矢を陥れようと暗躍したり。久矢は一瞬会社での立場が不利になりますが、すぐに反撃して逆に相手を解雇に追い込む。
憎しみを溜めた同僚、伊勢崎はある晩、飲み帰りの久矢とツグムの前に現れ、怒号とともに久矢に殴りかかる。
人間に危害を加えられないようにヒューマノイドはできてるので、久矢も無抵抗で殴られるまま。それを止めようとしたツグムも、伊勢崎に殴られる。
途端、キレてしまった久矢が伊勢崎をボコ殴り。それを止めようとするツグムに、久矢はとうとう自分がヒューマノイドであることの鬱憤をぶちまけます。
ここはすごいカタルシスがあった~!
いままでずっと「自分は道具」「道具とはそういうもの」と割り切っていた久矢が「どうしてお前たちに尽くしてやらないといけないんだよ!俺は何ひとつ俺のものじゃないのに!」と叫ぶ久矢にぐうっとなった…。
そんなぶちまけをしたおかげで、伊勢崎にヒューマノイドということがバレてしまい、ヤバみ~!どうなっちゃうんだよーとハラハラする私をよそに、ツグムは久矢を部屋まで送り……なんかエロが始まってしまいます。
「帰らないでくれ。お願いだからここにいてくれ」と縋る久矢に、銀英伝でラインハルトがヒルダに「帰らないでくれ」と言って一夜を共にするシーンがデジャブりました。
まあそれはともかく、こういうさりげないノリはけっこう好きだ。
「良いよ、誘い方なんて何でも。……ちょっと怖いだけだから」と言うツグムの口調がじつによい。淡々としてるようで緊張とわずかな甘さが見え隠れしていて。
エロのときのツグムくんの声も鼻にかかったような甘ったれた声が大変可愛かった…。
しかしエロ描写はかなーり大味で、暗転したと思ったらすぐに挿入寸前にまでなってて前戯をとばすな!!!!と叫びそうになりました。
あとミドリルートと同じく、精液の描き方がぞんざいすぎるううううう!!中学生が頑張って描いたエロCGじゃないんだからさあ!ぞんざいなうえに量だけはむやみに多いのも、なんか中学生の描くエロみたいだぞ…。
まあでも、ふたりのエロ声がよかったから許します……。
ツグムが朝帰りすると、ミドリちゃんが出迎えてくれて、ツグムが久矢と一夜を共にしたことを匂いとか消耗ぶりで察します。
匂いって…やっぱり精液の匂いなんでしょうか…。そりゃあんなに大量に出せばな…。
そして久矢がヒューマノイドということも気づいていました。
なんでも人間には聞こえないレベルのわずかな機械音が聞こえてたとのこと。
そしてミドリちゃんのほうも、なんとなく久矢に恋敵っぽい気持ちを持っていることをふんわり匂わせる…。しかしミドリちゃんにはまだ久矢ほどのエゴは育っていないモヨウ…。
そして、やっぱり伊勢崎は久矢に殴られたことをアグリムに訴え、久矢は事件が本当であるかどうかの確認をするメンテに行くことに。
もちろんパレたな廃棄処分。心配するツグムをよそになんとなくのほほんな久矢。
とりあえず自分内記憶を操作してごまかすという久矢。そこで記憶は一時的によそに移すこともできるけど、データが膨大すぎるので一般のデバイスでは到底ムリという説明を懇切丁寧にしてくれる。
果たして、やっぱり記憶の改ざんは見破られ、久矢は廃棄処分になることに。
そのことを隠したまま、ツグムと別れの一発をキメる久矢。わっ2回めのエロがあるのか…。ミドリちゃんなんて一回なうえに未挿入だったというのに……。
しかもミドリちゃんが気を利かせて退出してくれるし…。つってもツグムのアパート1DKだし、なんかキマズイ…。
それはともかく。
事後寝入ってしまったツグムに、別れの言葉を囁いてたらしっかり聞かれてました。
「耳元でそんな話されてたら起きるに決まってるだろ……」そうだよね!!
「大切なことは隠さないって約束しただろうがっ!!」と泣きながら怒るツグム。
可愛い……。
なんとか抵抗したいと思うツグムですが、アグリムは巨大企業で一個人が対抗できる相手ではない。
おりしもアグリムから連絡がきて、久矢に対する情報の守秘を求めてくる。莫大な謝礼と引き換えに。
納得できずにどうにか方法は…と繰り返すツグムに。久矢とミドリちゃんの両方が「普通に考えれば無理ゲー」と冷静に諭してくる。感情では納得できなくても、理論では無理ということを納得せざるを得ないツグム。こういう人の話ちゃんと聞く子好きだわ…。
そしてミドリちゃんが妙案を出してくる。
久矢の記憶をコピーして自分の中に一時的に保管させる。そして久矢の記憶を消して用済みになったボディの譲渡をアグリム側に申し出るという離れ業…。
契約の裏をかいたり、契約時に耳に小型の録音機を仕掛けたりなどの丁々発止のすえ、なんとかボディの譲渡を約束させます。
データを移し、次に久矢が目覚めたのは3年後──
ツグムはヒューマノイド支援団体の会社をたちあげていて、ミドリちゃんは修復中。
久矢の記憶は容量を減らすために選り抜いたものだけになっていたので、記憶はかなり抜け抜け。けれどツグムへの想いは変わらないままで。
ツグムも「お前が動いて喋ってくれるだけでいいんだ」と言う。
世間話のように淡々としたノリが逆に感動的……。
なかなかじんとくるラストでした。
というわけで、ミドリちゃんにはすまないけど、ミドリちゃんルートよりも何倍も面白い久矢ルートでした。
次回は総評ですが、いろいろ辛いことも言うと思います……。
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