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2017年11月27日 (月)

メビウスライン備忘録ドラマCD 時雨編感想ネタバレ

後藤羽矢子です。

やっと時雨編の感想です。聴くのは発売日に聴いてるのに、何故か感想書くのに、胸の裡で熟成させる時間が必要なのでした…。

ジャケ絵は小雨に濡れたふたりで、いつもの快活な時雨さんとはまた一味違う雰囲気…。
京一郎のYシャツが濡れて、少し肌色が透けて見えてるのがいいフェチさ…。

冒頭、京一郎に洋装の着付けを手伝ってもらっている時雨さん。いつぞやの特典SSで洋装でキメて京一郎と帝都おデートする話がありましたが、こっちはさらにフォーマル度の高いモーニングらしい。いちおう持ってはいたけど着るのは初めて…とのこと。
ちょっとちょっと!!そういうのは絵で見たいんですけど!二度も洋装時雨さん出しておいて想像におまかせしますじゃ生殺しですよ!髪の毛も結わずにおろしてるらしいし、元々モダン好きな時雨さんだから、着慣れなさを補って余りあるかっこよさに違いない…。
それを実際に見ている京一郎は「惚れ直すよ」などと言いつつイチャイチャ…そして当然のように入ってくる臣さん…という定例のやりとり。

もうさあ…臣さん絶対に部屋の外で聞き耳たてて「よし…頃合でござるな…せーの…若ぁーっ!」ってやってるよね…。

ところで何故、時雨がそのような格好をしているかというと天司様からのお呼びたてがあったからなのでした。
天司様といったら館林の管轄というイメージがあったので、時雨を呼び出すのがちょっと意外…。
時雨を見送りながら、その物々しさに不安を感じる臣さんと京一郎…。ふたりのつきあいも長いせいか家族みたいな雰囲気醸し出してる…。
一方、天司様と時雨、天司様はりりしい青年になったものの、声は愛くるしいショタ声のまま…。まあその姿は成長したように見せかけた擬態なので、声までは変えられなかったのかもしれません。

で、時雨への依頼というのが、皇居追い出されて京都で無念の死を遂げた皇后が怨霊化しちゃってるから、祓い清めてさらに神にしてという、無茶ぶり。
あの腐女子、千家ルートのみならず時雨ルートにまで害を及ぼしてきやがった…!黙って逝っとけ!と思うのですが、執念深い蛇の妖だからなあ…。

さすがにヤバみを感じた時雨さんは、京一郎にわけも話さず単身乗り込む決意をする。
それについて、臣さんに「京一郎に話したところで、京一郎が苦しむだけだし無事に帰ったら武勇伝として話すサ!」みたいなこと言って、臣さんも納得した…と見せかけてしっかり京一郎にリーク!
苦しみだって分かち合いたいという京一郎の気持ちも臣さんもわかっているんだね…としんみり…。しかし、臣さんの式、犬なのか…。臣さんの声で喋る犬って可愛いね…。それについては時雨が「臣が戌年だから…」と言っていましたが、時雨亥年だけど雀使ってるじゃん…関係ないやん…。

それはともかく、京都に向かう特急つばめの車内でしんみりしていると突如現れる京一郎!うろたえる時雨と、有無を言わさんとばかりに立て板に水のように喋りまくる京一郎の対比がおかしすぎて、ハイライトシーンと化してる…。
しかし「仕事はどうしたんだよ」と問う時雨に「仮病使って休んじゃった☆」とテヘペロ感だして答える京一郎。有給ないんかいと内心でツッコミましたが、調べたら有給が導入されたのは戦後かららしいです。国家公務員なのに昔はブラックだったんだなあ…。

などと大筋と関係ないところに思いを馳せてるうちに、禍々しさ渦巻く京都に到着し、今晩の宿の寺の庵に。
まだ無理に明るく振舞おうとしていた時雨ですが、そんなこともお見通しの京一郎に絆されて、とうとう「怖い」という弱さを京一郎に見せてしまいます。
ローザさんが発売前のツイッターで、「今まで言ったことのない言葉を時雨が初めて言う」という内容のツイートをされてましたが、「怖い」だったんですね~!

このときの、時雨の絞り出すような心情吐露と、京一郎にすがりつくときの震え声が、三浦さんのイケボによって最大級の萌えに昇華されていました。
「優しくできそうもない、ごめんな」と言いつつ、京一郎にむしゃぶりつく時雨。
このときのケダモノみも、普段の時雨っぽくなくていい…。今回はふたりとも切羽詰ってるせいか、実況はやや控えめでしたが、それでも京一郎の泣き喘ぎはいつも以上で、何度途中で停止ボタン押したか…。
もしかしたらこれが今生の一発になるかもしれないと思えば濃くもなるってものですよね。

そして朝が来て、戦いの場へと向かう時雨。京一郎は鳥居の向こうで祈るしかできない…。
このシーンがね~…なんともいえずよかった!技巧が凝らされてるというか…。
時雨の祝詞詠唱のかっこよさと、京一郎の祈りがシンクロするところと、時雨が「贄として」自分の命を捧げる(と思わせてハラハラさせる)ところのコラボレーションが…!
もう音声だけだというのに、映像まで目の裏に浮かんでくる!

時雨が捧げたのは、「子供の頃の自分」で、そのせいで、時雨は子供時代の記憶も、かつての自分の名前も一切忘れてしまいます。
過去の自分を知る身内は、もう誰もおらず、記憶をなくせば子供時代の自分は完全に消える。けれど、京一郎が覚えていてくれる。時雨の弟たちの名前も、時雨の本当の名前も。
これ聴いた直後に思わず備忘録の薄墨桜のシーン見返してしまいました…。
辛いこともあったけど、それでもかけがえのない記憶だって、しみじみする…。

過去の自分を差し出してしまったことを悔やむ時雨に「僕が教えてあげるよ」優しく慰める京一郎の慈母っぷり。
「君の本当の名前はね…」と耳元で囁くところでEND。上手いシメ。
しかし時雨の本当の名前…弟が喜助に嘉助だから、やっぱり助がつく名前なんだろうなあ…。でも「助」のつく名前って時雨に合ってるような気もする。

それにしても、ミサキがいっつも京一郎が死にかけるのに胸を痛めるポジションと以前に書きましたが、時雨ルートはいつも京一郎が時雨が危険に晒されるのに祈るしかできなくてしんどい…。とはいえ、今回はガチ死にかけた前回よりは多少辛みがマイルドでよかった…。ラストは恒例の膝枕を列車の中で堂々とやってくれたし!

昔の列車はけっこうぎゅうぎゅう詰めのイメージがあるけど、やっぱり向かいの席にも客がいたんだろうな…。さぞ目のやり場に困ったことだろう…。

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