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2017年9月24日 (日)

川瀬朗読CD 感想ネタバレ

後藤羽矢子です。

届きました。古書店街の橋姫文学朗読CD川瀬編。

前回の花澤編が一回延期したんでちょっと不安だったんですが、無事ステラワースから届きました。
そわそわしつつ開封…。

特典のポストカード(イラストと裏面にSSS付き)を見て、川瀬のイケぶりにヒッとなり、SSSも「あらすじは公式サイトでわかってるしネタバレとかえーわ!」と聴く前に読んでしまったのですが、やっぱり聴いてから読んだほうがいいかな…とちょっと思いました。ちょっとだけ。

それにしてもこのSSSの、短さにそぐわぬ萌え爆弾ぶりよ…。

そしてCDをインポートして、いよいよ拝聴…。

以下おりたたみー。

ざっとしたあらすじは、公式のCD特設ページにあるのですが、そこで情報入れないまま聴いたら、玉森くんがいつの間にか編集者になってるしでびびる人もいるのではないでしょうか。

といっても、橋姫プレイして朗読CDまで買おうという人が特設ページをチェックしてないとかまずありえないはずなので、制作側も「わかってるよね!」という前提で進んでいきます。

このへん、作り手とユーザーの距離が近いBLゲーならではって感じですね。

お話は、ふたりで帰郷したものの、降りる駅を乗り過ごしてしまい、待ちぼうけしてるところから。
よく考えたら、ゲーム本編後、初めての音声なんだよな…。後日談ではかなり甘々な感じになってる川瀬だったけど、やっぱりまだ毒舌は鈍ってなかった…。「最低だよね」とか「ねえ!いい加減機嫌直してよ」とかのイラついた口調がマルクスさんの神経質っぽそうな声に激マッチして最高。

そのイラ声からの「夜のこと…怒ってるの?」と声の飴と鞭。あからさまな甘い声でなく、淡々としたなかに小さじ一杯の砂糖混ぜてるかのような按配がすごい。

とりあえず時間つぶしに、本を読み始める川瀬。睡眠薬の処方のことで勤務先の先生に読むことを薦められたというのが、芥川龍之介の「死後」

そして芥川を知らなかった玉森くんに、「えっ…嘘…」となる川瀬。ここの「えっ…嘘…」でご飯三杯食べられる。しかし私も正直「マジか…」と思いました。玉森くんいくらなんでも見聞に偏りありすぎない?
そこで「それじゃあ俺が君の初めてを聞かせてあげよう」と読み聞かせてあげる流れに。

川瀬、玉森くんの初めてになることにこだわってるなー…Cool-Bの前日譚SSでも、玉森くんの梅鉢堂初勤務のときに、一番に乗り込んできて「俺が君の初めての客になったね。一生覚えておきな?」とか言ってたし…。

それにしても読み聞かせをする流れがいつもバリエーションに富んでてすごいな。
一応「死後」は私も青空文庫で予習してあったのですが、妻との会話も多いし、もしかしたら花澤のときのようにあらすじバージョンになるかなと思いましたが、そんなこともなく。

その妻の台詞を言うときの川瀬の声が異様に低く、こええよ!となったのですが、玉森くんもそう思ったのかツッコミを入れてくる。
それに対し「え?妻の声が低い?男なんじゃない?」と激大雑把にいなす川瀬に爆笑!
そういえば水上CDでもカンダタの口調に何回もダメ出ししてきたなあ玉森くん…。そしてそのたび口調を変えてあげてた水上…こういうキャラごとの対比もいいですよね。

途中で飽きて「最後まで読まなきゃダメ?」とか言ってきたりするのも可愛い。
読み聞かせを終えて最後に「おわり」と言うのが、もうクッッッッッソ可愛い!!!

「死後」は主人公が夢のなかで「死んだこと」になっていて、妻のもとへ行くと、どうも妻はすでに再婚しているらしく、それに対してムカムカを募らせるというお話なんですけど。

どうも必要以上に感情移入してたらしく「読んでる顔が怖い」などと玉森くんに言われてしまう川瀬。
川瀬は意趣返しとばかりに「俺が先に死んだらどうする?」と証明しようのないif話を持ちかけ玉森くんを困らせる。
「俺が死んですぐに、賢くて君を怒らすこともない優しいヤツが好きって言ってきたら…死んだ俺を選んでくれる…?」
ああああああああああああああああああ!!!
これは当然水上のことですよね…。
次の「金持ちで豊満で、君の書く物語に心底惚れている熟女も、君を惚れてきたら…」は熟女とか言ってますが、当然博士のことですよね。
花澤は安牌と思われてるらしい。

それはともかく、玉森くんを手に入れてるのに、どこかに不安を抱えている川瀬が切ない…。
最後の台詞「玉森くん、俺が死んだら一緒に死んでね。それぐらい俺のこと好きでいて」の破壊力たるや…。
もちろんこれは本意ではない。
店主の記憶がある川瀬は、玉森くんが今後肺を患うことは知っているし、たぶん自分より先に死ぬこともわかってると思う。
だから川瀬の問いかけはありえない話ではあるんだけど、そうやって玉森くんの心に自分を焼きつけようとする川瀬がいじらしくて泣ける…。

そこからの~…SSSですよ。
玉森くんから「お前と私はもう、か、か家族みたいみたいなものだろう」という言葉を賜る川瀬…!
玉森くんは恋人と言うのをいまだに恥ずかしがっているようなのですが、もしかして恥ずかしいと言うよりは恋人という関係に不安定さを感じていたのかな?
玉森くん「揺ぎ無い友情」を欲していたし、恋人より家族のほうが求めていた関係で、そっちのほうが玉森くんも受け入れられるのかもしれない。

そして玉森くんの言葉に「急に恥ずかしくなってきた」川瀬。これって多幸感だよね~!幸せを幸せと自覚できない川瀬が切なくも、よかったね~とこっちももらて多幸感に浸れました。

そんなわけで萌え爆弾過ぎて、すでに3回ぐらいリピートしてる…。

マルクスVer.の「死後」はあんまり川瀬と違いはないのですが、さすがに妻の口調は女のように演じていました。でもその妻、なんだか気だるげでエロいぞ…。
あと地味にS氏の演技がすごかった。

とにかくいろんな意味で満たされました…。
次はたぶん玉森くん編ですよね…。
カオルはさすがに朗読できる物語がなさそうだし…。

まだ情報が出てないものの楽しみだ…。

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