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2017年6月10日 (土)

古書店街の橋姫 川瀬ルート感想ネタバレ

後藤羽矢子です。

やっと仕事波を抜けて、川瀬ルートの感想書けます。

その前にもう一度やり直してたんですが、相手の気持ちがわかってからの二周めというのは本当に味わい深い。
台詞や一挙一動にも隠された気持ちがにじんでたんだなあ…みたいな。

私は川瀬最萌えなわけですが、川瀬の何がいいかって、声と喋りがいい。
一歩間違えたら棒になりそうなギリギリなところで、(全然棒じゃない上手い)個性と味になってる。
低く、抑揚のないシニカルな喋りが、新鮮かつ、川瀬のキャラ性にすごく合ってると思う。

お話は…橋姫はどのルートも話が二転三転して、ついていくのが大変なのですが、川瀬ルートはそれに加えて暗喩も多く、玉森の言葉を借りれば「驚かされっぱなしの流されっぱなしなのである」という感じです。
しかし面白い…この面白さはなんなんだろうなあ。見世物小屋のように怪しくていかがわしくて、闇と極彩色が入れ替わり立ち代りしてるみたいな。

それはそうと、ガチ運命の相手だった水上のルートから分岐して、どう川瀬に行くのか気になりつつ進めました。

以下おりたたみー。

時間跳躍しても水上を掬えず、川瀬の気持ちもわからなくなって、友情とはなんぞという気持ちになってるとき、その心のスキマに、孤児たちで結成された不正規連隊のガキどもがにじり寄ってくる。
隊長の治司くんは、元いた下宿先の息子さんで、じつは行き着けのカフェの女給メイコというふたつの顔を持っている。
彼らは川瀬が、養父である池田氏を殺して財産をのっとったという疑惑を持っており、それを暴くために協力して欲しいと持ちかける。

治司くんたち不正規連隊の友情がまぶしくて、ついそれに縋りたくなった玉森は治司くんの手を取ることでルート入り。

不正規連隊は、隊員同士をフランス語のナンバーで呼び合ったり、ちょっとムードに酔ってる一面もあり、川瀬の罪を糾弾するために、わざわざ芝居を作ることに。そしてそれの脚本を書く玉森。このへんは不思議とコミカルみがあってちょっと安らぐひととき。
玉森も子供とつるんで連帯感に浸ってるし、このへんの情けなさというか心の弱り具合もちょっといとおしい。

しかしそこから一転、芝居を見せられ、罪を問われる川瀬は、それを否定することもなく、加東くんに「きみは池田さんにどこまでされたの?」などと言う。
ここで池田氏がペドフィリアで、川瀬も池田氏に慰みものにされてた…ということが示唆される。映画館を出て雨のなかで嘔吐する川瀬の後姿に、強烈な悔悟の念を抱く玉森。
じつはこの川瀬の嘔吐で、最萌えが確定した…。
いや以前に綺麗な男の嘔吐萌えとは書きましたが、それだけではなく、不遜で完璧な男の弱い部分ってぐっとくるじゃないですか…。

ところで。
本編だけだと池田氏になんかされてたなと、どう考えても思ってしまうのですが、副読本には「池田氏と川瀬に肉体関係はない」とはっきり書かれていて、私はちょっとそこだけガッカリポイントでした。性癖云々でなく、お話として池田氏を殺すにはそれぐらいのトリガーがあったほうが納得できるから…。

とにかくまた時間跳躍をする玉森。水上の自殺を止めるのと、川瀬の心を掬うこと、タスクがふたつに増えたー!
川瀬の心を癒そうと、何故か玉森は猥談を書き始める!しかもその内容が女好きの蛇男が、女を襲いまくって街は大騒ぎというもので、しかも玉森的に愛というものについて考えて書いたというからニッチが過ぎる。

できあがったものをまず試しに博士に読んでもらったら、鼻血を垂らしての大絶賛。
ところで玉森くんは普段の会話も、一人称の地の文も、文学的な持ってまわったような言い回しなのですが、喜び悶える博士を見て
「この男本当に気持ち悪いな」
とめっちゃ素な感じになってたのにブッフォってなりました。

そして川瀬にも読ませたところ…。
「きみの性癖見せつけられて、どうしてくれるのこの不快感」
と、地雷を踏んだ腐女子のような反応。

何もかもがスベりまくってる玉森ですが、コミカルみがあったのはこのへんまでで、この先から川瀬を殺そうとする能面男との攻防になっていきます。
このあたりはマジで怖かった…。
水上も自ルートで何度も死んでましたが、ペンで首を突き刺したりと比較的おとなしい死に様だったのに対し、川瀬の殺され方は、能面男に首をねじ切られたり、手足をくちゃくちゃに折り曲げられて暖炉に押し込められてたり酸鼻を極めるって感じ。
攻略キャラがこんなひどい死にざまをするゲームもそうそうないだろう…。

水上ルートのときも思ったけど、こんなの何度も目の当たりにして、玉森くんがPTSDにならないか心配だ…。
そして何度も時間跳躍するなかで、川瀬が潔癖症と言いつつ玉森にだけは触れられたりと、フラグも着々と立っていく…。玉森の手の甲にキスをする川瀬は激萌えた。
そうこうしてるうちに梅鉢堂の店主が出てきて、能面男は川瀬を殺そうと店主が差し向けた刺客…ということが判明。そして今度は店主と玉森川瀬の、幻想世界の中での追いかけっこが始まり…またムードがガラッと変わる!

普通ひとつのルート内でこんなにムードが変わったらチグハグな印象を受けるものだけど、このゲームに至っては、なんというか…玉森と川瀬が一緒にいろんな本の中を渡り歩いてる…みたいな印象を受ける。
人情もの、ホラー、ファンタジー…みたいな。

店主は未来の玉森で、大作家になりたいという玉森の夢を叶えさせるためにこの時代に来たという。
その甘言に何故か川瀬のほうが乗ってしまい、川瀬は店主を斬って橋姫の力を手にいれる。
そうして16年前に戻って自分自身を殺す─と言う。
ちょっとこのへん因果が絡み合いすぎて一言じゃ説明できないんですけど、止めようとする玉森に川瀬が襲い掛かって、やっとエロシーンきたー!

色恋ではなく、川瀬は死ぬ前に想いを遂げるため、玉森は川瀬を今生に引きとめるため。すれちがいまくってるのに甘くて切ない。
このときの玉森のモノローグ。

…本当にひどい男だと思った。
好きだと言って首を絞め。
憎いと言って抱きしめて。
ついには、綺麗だと言って足を向ける。
行動と言葉のどちらを信じて良いのか、わからない。

このセンテンスに痺れた…。
橋姫って本当にわりとサラッとキャラたちが嘘をつく。
普通、嘘だったら嘘って読者にわかるように仕向けるものだけど、平気で嘘つきっぱなしにしたりする。
そこに振り回されつつも、なんだか生々しいなと思ったりする。

玉森自身も、もう完全に川瀬のことが好きなくせに「お前を友以外の目で見れない」などと言うし「欲しいのは親友であって恋人じゃない」と言ったりもする。
そこを川瀬が「俺にとってはそれは愛情だ」と玉森の欺瞞をぶちこわす。
実際、玉森の行動すべては、恋人を救う人のそれでしかなく、玉森の無自覚さが歯がゆくもキュンとなる…!

結局最後まで言質の取り合いで、両想いって感じには至らなかったんですが、後日談では100%恋人になってて吹いた!

そんなわけでめっちゃ楽しめたんですが、唯一気になることは…。

本当に池田氏殺してたんかい!
普通あの流れだったら疑惑を持たれていたものの実は違った…ってなるものだけど。
ていうか副読本によれば実際に手を下してたのは花澤だそうだけど。
それにしたって、庭の井戸に死体捨ててそこを埋め立てたとかって、いくら大正時代といってもちょっとズサンすぎない?

村での父親殺しは、まあいい。あの時代だったら村ぐるみで殺しを隠蔽するとか普通にあるし。でも東京で、しかも後々探偵として名を馳せるという川瀬に特ダネ狙いの記者とかつきそうで怖いよ。

その一点だけが気になりましたが、本当に川瀬には萌えっぱなしでした。

特に川瀬が「玉森くん大好きだよ」と言ったときの抑揚のなさからにじみでた諦念と狂おしさが…。

それを思うと後日談SSが本当に甘くて川瀬よかったねーと感慨にひたれる…。
もう10回以上読み返してるぜ…。

次回は花澤ルート感想です。なるべく早くに更新したいです。

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コメント

川瀬いいですよね…!!わたしも最萌です。
後藤さんは池田さんと肉体関係があったほうが物語的に納得、とおっしゃってますが、私は純粋に他人の(加東君を守る)ために自らは泥をかぶる、川瀬のある種の潔癖さが強調されるなーと理解しました。結局花澤に頼っているあたりどうなの、と思わなくもないですがw
残りのルート感想も楽しみにしてます!

投稿: 霜月 | 2017年6月10日 (土) 23時45分

いつも楽しく見させてもらっております!
川瀬は実父と肉体関係(性的虐待)があったことが示唆されていますから、フラバとか大変だし潔癖もあるし、目的の為とはいえ身体を売るとか絶対出来ないんじゃないかなあと思ってたので、自分は池田と関係持ってなかったのは納得できましたね
というか玉森以前は実父しか経験なかったのか?と思って闇を感じました…

投稿: | 2017年6月11日 (日) 12時15分

確かに川瀬の潔癖症を考えると池田さんと何もないほうが自然なんですけど、なんでしょうね…。たぶん私は川瀬が池田さんを殺してることじたいに抵抗があるのかもしれません(実行は花澤としても)
といっても橋姫の人たち殺人履歴ありすぎだし、ちょっと退廃的なこの世界観にはそぐってるのかもですねー!

投稿: 後藤羽矢子 | 2017年6月15日 (木) 23時59分

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