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2017年6月 4日 (日)

古書店街の橋姫 水上ルート感想ネタバレ

後藤羽矢子です。

やっと攻略キャラごとの感想に取り掛かれる…。なんだかんだで3回くらいリプレイしてた…。

まずはざっとあらすじると。

時は大正十一年。神保町に雨の日だけしか開店しない不思議な古書店「梅鉢堂」がある。

主人公の玉森くんは、そこの店番。
会津から出てきた浪人生だけど、下宿先の奥さんと喧嘩してそこを飛び出し行くあてのなかったところを、梅鉢堂の店主に拾われた。

文士を目指し、余暇を使って幻想小説を書きまくる玉森くんは、できあがった原稿を同郷の友人ふたりに見せていた。
川瀬は酷評し、水上は手放しで褒めてくれる。菩薩と悪魔にはさまれつつ、モラトリアムな日々を送っているも、ある日菩薩水上の突然の死。

警察も川瀬も自殺だというもそれが信じられない玉森。
真相を突き止めようと動いてるうちに、水たまりを媒体に時間跳躍をしてしまう玉森。
かくて水上の命を掬う(救うではなく掬うと表記している)ために、孤軍奮闘する玉森…って感じ。

以下おりたたみー。

まずは玉森くんの人となりなんですけど。

一言でいえばモラトリアムニートワナビー。
帝大を目指す浪人生ではあるけど、すでに二浪。眼鏡は知的に見せたいがための伊達眼鏡。大人ぶりたい、利口ぶりたい。だけど趣味嗜好はお子様。承認欲求は強いけど自己肯定は低め。自分の得意分野には深い造詣を見せるけど興味のないことにはまったくもって怠惰……という、現代人─特に私たちのようなオタクには共感性の高いキャラではあります。
このブログを読んでる方々もオタクにまとめてしまってますが、いいですよね。

さらに玉森くんには幻覚を見る癖が幼い頃からあり、晴彦さんと蛙男というイマジナリーフレンドとしばしば会話をしています。

BLゲーの主人公としてはかなり異質なキャラ造形です。

水上は糸目でおかっぱ頭(ショートボブ)穏やかな物腰の読書家。
本という本はなんでも読み、玉森の物語もいつも楽しみにしてくれている。
そんなゆりかごのような存在である水上の死──玉森がショックだったのは、水上の残した手帳──そこにはいろんな本の感想がびっしり書かれているも、玉森の物語については一言も触れられていなかったこと。

ここ刺さるわあ…。
たとえるなら、ツイッターでいつも絵にいいねしてくれてた人の、Pixivのアカウントみたら上手い人の絵がいっぱいブクマされてて、自分の絵はブクマされてなかった…みたいな。
その喩えもどうかって感じですが、とにかく玉森くんはそんなことを思ってしまった自分に愕然となり、その思いを振り切るように水上の死の真相を突き止めようと動く。
そこでもう一人の同郷の友人花澤と再会したり、梅鉢堂の常連で、玉森くんの崇拝者である博士の助力を仰いだり、能面を被った巨漢に追いかけられたり。

最初の時間跳躍にはいるまでの息をつかせぬ展開がメチャクチャ面白い!
江戸川乱歩は浅学にて読んだことがなく、土曜ワイド劇場でしか観たことないんですが、たぶんそのテイストを意識したんだろうなあと思います。
作中に出てくる「パノラマ島奇譚」が原作の「恐怖奇形人間」の予告がゆーちゅーぶにあったんで(本編は封印されてる)観てみたらまったくもってヤバさの塊でしかなかった。
タイトルからして原作レイプっぽい気もしますが…。
っていうか読めよ私。

それはともかく。
最初は能面男から逃げるさなかに水たまりに落ち、時間跳躍。
タイムリープもののお約束として、未来を変えようとしても、なかなか上手くいかない。
最初は水道橋に行くなという忠告だけでしたが、だんだん水上を監禁しようとしたり、行動も大胆に。その四苦八苦ぶりが時にコミカルに時に辛辣に描かれる。

繰り返しながら、だんだんと玉森が知らなかった水上の心と、時間跳躍を司る橋姫の秘密がわかってくる…。
それにしても、何回も何回も水上が目の前で自らの首掻き切って死んだり、花澤が生首になったり、玉森くんがPTSDにならないか心配です。

水上の自殺が、玉森への恋慕が原因なのはわりと早くに気づくも、欲しいのは「揺ぎ無い友情」であり、水上をそういう対象とは見られない玉森。
それでも水上を「掬う」ことをやめることができない玉森。水上のためにという想いのみが玉森を突き動かす。

一度は水上の自殺を思いとどまらせることができて、こっちもホーッとするも、別の要因でまた死んでしまったりでギャアアアアアアアアアってなります。

跳躍はじつに10回!にもおよびます。他のキャラもみんな10回やるんか…?と思いましたが、他のキャラは7回とか8回でした。花澤に至っては5回だし。
10回めの跳躍、冒頭の会話を繰り返すのですが、1回めのときと違い、玉森の口調が慈愛と哀しみに満ちててうぐぅぅぅぅぅぅぅってなった…。

最終的には、取るものもとりあえず、水上を会津の田舎まで駆け落ちのように引っ張って行きました。

ところで水上にもかつて橋姫の力が宿っており、子供の頃に逆に玉森の命を掬おうと23回も時間跳躍していたことがわかりますが、そのときも最終的には泣きながら玉森に抱きついて縋りついたことで引き止めたのでした。結局小細工などするよりも、心のままにぶつかっていったほうがいいということなのでしょうか。
しかし玉森にしろ、時間跳躍での経験で、水上への想いを育てていったし、その時間も決して無駄ではなかったんだと思う。

そして、水上の口から、自分にはずーーーーーっと前からの前世の記憶があり、常に玉森に恋をし続けていたということが語られます。
えっ?!水上、運命の相手枠?!
そういうキャラ、普通真相にでてくるもんだけど、初回から出してくるとは新しいな…。
ふたりは時に魚だったり女だったり鳥だったりしていたそうですが、常に結ばれていたわけではなく、魚時代は玉森を食べちゃったそうだし肉体関係を結んだことすらなかったっぽい。
「俺が魚のときお前も魚だった」と水上が言ってるし、副読本には女のときは女同士だったってあったので、もしかしたらずっと同種同性にしか転生できないってことっぽい。
水上は運命の相手でありつつ結ばれないことがデフォである悲しい運命を背負ってるキャラだったのです。
水上は自殺することで輪廻の輪からはずれ、玉森を解放してあげたかったのですが、その因果をブチ破り玉森は飛び込んできてくれたのでした…。
ここほんとジンとなる…。

そしてとうとうたぶん初めて、身体を繋ぐふたり…。エロシーン、けっこう体位変えたり初めてのわりに工夫が凝らされてるのがちょっとフフッてなった。
地味に特筆すべき点は、勃起により亀頭が露出するという仮性包茎的な描写があること。
ていうかそれが普通だと思うんですよね。日本人の仮性包茎率70%だというし。
それに仮性包茎のほうが感度がいいらしいから、仮性描写大歓迎ですよ!

ラストはちょっと意味がわかりにくかったんですが、副読本読んで納得しました。
ていうか橋姫ルールややこしいぞ!

玉森の水上に対する感情はセックスしつつ、恋情っぽくはなかったんですが、それ以上の「存在を受け止めたい」という純度の高い感情だったので、満足です。
それに後日談では、もう恋情にまで育っていました。

メインルートだし、橋姫ルールや店主のネタバラシなどいろんなものを盛り込んでるので、理解するのにヘトヘトになりましたが、水上を掬えた達成感と、やっと結ばれたふたりに目頭が熱くなりました。
昨夜MさんとLINEしてて私が「水上は全ルートで菩薩だけど、哀しみや苦しみから解脱できてない菩薩」って言ったら、Mさんが感動してくれたのでちょっとテヘッとなりました。

こんな最初からガチ運命の相手が出てきたんで他のルートに行くのに、ちょっとぴり気が引けました…。行ったけど。
そんなわけで次回は川瀬ルートです。
数日間があくかもしれません、

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