Lamento ライさん小説感想ネタバレ
後藤羽矢子です。
ライさん小説読了ー。
あの無惨にも思えたカバーは実物を見たらややマシに見えた…森の絵を実際より彩度落としてるせいか、なんかRPGの攻略本のカバーみたいな雰囲気。
内容は…もう発売日だから、無理に折りたたむ必要もないんですが、まだ購入してない人もいるかもしれないので念のため。
以下おりたたみー。
とにかく、なんというか、めっちゃ忠実にゲームの内容を追っています。
それは「ゲーム」の「ノベライズ」という商品を作るというオーダーには、ちゃんと応えている。ゲームをやった人にはプレイを反芻する気分に、やってない人には、これはこういうゲームですよというアピールになると思う。
でもゲームのシナリオってそのまま小説にしていいもんじゃないなーと私は思います。
私もノベルゲーというものを初めてプレイしたときに、「これは映画や小説のシナリオとはまったく別のメソッドでできてるもんなんだなあ」としみじみしました。
映画や小説とノベルゲーの大きな違いは、やっぱり分岐があるかないかですが、それ以外にもクリックするだけとはいえ、読み手が物語に参加するという部分。プレイヤーが世界にはいってコツコツとフラグをたてていく過程。
とにかく、ゲームのシナリオは、漫画やアニメや映画のシナリオに比べるとどうしたって冗長です。
で、ライさん小説はその冗長な部分まで律儀に再現しちゃってるわけです。あのカガミ湖三回参りは、ライさん視点のせいで二回参りになってましたが、それでも一回で済ませ!と言いたくなりました。でも火楼リターンとトキノエピがまるっとなくなってました。トキノの出番がないのはちょっと寂しいけど、それまで入れてたら一冊じゃ終わらなかったかもしれません。
文体は読みやすいんだけど、ちょっと淡々としすぎてる気も。というかせっかくのライさんの内面描写が淡々としすぎ。でもこれはライさんの情緒の未成熟さによるものなのかという気もします。
なんかくさしっぽいノリになってますが、萌えはちゃんとあります!
というと、やっぱりエロ絡みになってしまうんですが。
お香イベントでは、突然コノエにムラッときて、自分はあんまり性欲強いほうじゃないと思ってたのに何で?みたいに自問するライさんがカワエエ。迫るライさんにコノエが「…けど雄だろ。俺も、アンタも」と躊躇すると、田舎に行くと藍閃と異なり、雄同士の交接はタブーなのだろうか。とさりげなく火楼を馬鹿にするライさん。やっぱり藍閃は都会だからハッテンしてるんですね。
発情期イベントでは、発情したコノエの体臭が気になってしょうがなく、それから逃げるように酒場で情報収集するライさん。でも結局コノエが追っかけてきてしかたなく一緒に娼館入り。マナたんをガン見するコノエに、まさか若い雌を見たことないのかと内心で呟くライさん。あんたは見たことあるのかーと思ってたら、あとでライさんが受けをやったことはなく、雄猫を抱くのも初めてと言っていてエエエエエエエエってなりました。
ライさん素人童貞発覚!まあ発情はうっとうしいけど、いままで特別誰かに触れたいと思ったこともないと言ってたから、淡々と娼館に行って処理してたんだろうなー。
まあそんなこんなでコノエが発情でヘロヘロになって、エロに突入。発情期の知識がまったくなかったコノエに、冷静を装いつつ戸惑うライさんに萌え。初めての相手にこんなことをしてもいいのだろうかと思いつつ結局やる。このへんの文章までもが淡々としてるんですけど、でも処女相手に手心を加えてやりたい気持ちと、暴走したい気持ちが行き来するさまはなかなかよかったです。
宿に戻ったあと水浴びしたコノエに、自分に触れられたのが不愉快だったのだろうかとちょっと気にしてるライさん…。おめーが中出ししたからだろ!素人童貞はこれだから…。
その後コノエが熱を出して、ライさんが薬でも買いに行こうと階下に行くとバルドに出くわし、あげくに「コノエとやったな~」みたいにからかわれて不愉快の二乗。
「昨晩から発情してたお前がコノエと一緒に帰ってきて、ずいぶんスッキリした顔をしてる」って…。ここでブブゥッと吹きました。どんな清清しい顔で宿屋に戻ったんでしょう。ライさんは。しかし、発情してるのも、やってきたのもバレバレってちょっと恥ずかしいですね。リビカも大変だ。ていうかバルドは発情期どうしてたんだ?
それにしても。
このライさん視点、ストーリーを全部追っているとはいえ、描写はライさんの脳内で重要度を占めてる部分だけってカンジですので、トキノは眼中なし(だから出てこない)アサトもかなりどうでもいい存在。大事なのはひたすらコノエで、ついで別のベクトルで重い存在のフラウド。それに比べるとリークスですら、わりと脳内の扱いが軽い。やっぱりライさんにとっては、真のラスボスはフラウドなんだなーと思う。リークス戦はあくまでコノエが乗り越えるイベントでライさんはそれに手助けをしているだけ。
そうして世界に平和が戻って、ラストは青姦でキメ!しかも最初にキスした茂みでわざわざやるという凝りよう。わりとアニバーサリー心があるライさん。
あ、通じ合う心部分をまるっととばしてますが、そこはツッコミどころなくマジ萌えするので、読む方が自分の目で確かめてください。
総評すると値段の高さが、すべての部分にミソをつけちゃってるのが非常に残念。
これが1500円くらいだったら、特に文句もないんだけどなあ…。
あとやっぱり前述のとおり少し冗長で、もりあがる部分もわりと淡々とこなしちゃってるのが薄味な印象に繋がってるカンジ。
でも萌えるのは確実だし、ライコノ者にはオススメです。
正直エンブレの商法にはかなり腹がたってるので、クソミソにレビューしてやろうかとも思いましたが、萌えたので負けました。
ええ、萌えたら負けです。
でも次になんか出すときは、もう少し値段相応の中身か中身相応の値段にしてください。エンブレ。
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コメント
ライさん小説購入されたのですね。色んな方のレビューを読んでから購入を検討していた私ですが、攻め側の視点というのは、やはり滾るものがあるのですね。シナリオを担当されたのが、ドラマCDの脚本家さんなんですよね。ライコノはLamentoのCPでは一番好きですが、友巻さんが書かれるなら、バルコノで読んでみたかった、というのが率直な意見です。バルコノCDのシナリオ、とても好きなので。個人的な見解で恐縮ですが、シナリオさんご自身も、もしかしたらバルコノ、もしくはバルドがお好きなのかな、という印象を受けましたので。それとも、ユーザーさんの人気の高いCPをチョイスされたのでしょうか。と言いましても、私自身、どのCPが一番人気か正直よく分かりませんが…(汗)。ライコノは、私の脳内では王道のような気がしています。勝手な見解で済みません…。ユーザーさんの購入意欲を刺激するのは正直骨が折れそうですね。
投稿: 井伊これきよ | 2009年4月 3日 (金) 11時21分
ドラマCDは確かにバルコノが一番よかったですねー。バルド視点の小説も読んでみたいけど、本編をバルド視点でやったら前半部分が謎に包まれてしまいます…。やっぱりバルドは本編より後日談のほうが書きがいがあるんじゃないかと思います。バルドの後日談小説があったら読みたいなあと思います。
投稿: 後藤羽矢子 | 2009年5月 4日 (月) 02時57分