Lamentoノベライズ 感想ネタバレ
後藤羽矢子です。
Lamentoのコミカライズとノベライズ、一気に買ってきました。
コミカライズのほうは新シェルリンプレーンぽい紙に枝葉のエンボスがあしらってあってとてもオシャレなカバーに仕上がってます。中味はもう全部既読のものなので、特筆することはありませんが、あとがきマンガが最高にカワイかったです。
で、ノベライズですが、ネタバレしまくるのでおりたたみます。
文章は滑らかでとても読みやすくてよかったです。こういう水を飲むように読める文章って私は「上手い」と思います。
設定や大筋にゲーム本編からの逸脱はほとんどないですが、やっぱり構成をあれこれ変えてストーリー展開をかなりタイトにしています。でもライさんの初お目見えが、コノエがまだ火楼にいるときってのには、ちょっとびっくりしました。
そして私と松本さんが気になっていた、世界の近距離感と逃げ放題生贄システムがフォローというか修正されていたのがすごい。まあ、あそこはLamento三大ツッコミどころのふたつだから…あとのひとつは、図書館だけど、あれもフォローされるのでしょうか。
生贄システムは、満月の夜に村猫全員がくじをひいて当たったものが、食われる。で、見事当たりくじを引いてしまったコノエたんは、その場でひっ捕らわれて石牢にぶちこまれる。それを逃がしてくれたのが、過去に弟を生贄にされ、村の掟にしたがって弟を守れなかったことを悔やんでいる失躯猫さんなのですが、これってキャラ的にはナキとケイジュの代わりですよねー……。やっぱりスニーカー文庫では脇役のホモもダメなようです。
私が気に入ってるのはこのあたりで、コノエを含め火楼の村猫たちが、生贄なんてイヤだと思いながらも村を出られない、掟に従わざるをえない、そういう精神的呪縛をきちんと描写してるなーと思います。
あ、それとコノエが火楼の村で微妙に疎外されてる理由づけもされてました。
で、森にはいり、吉良入り。このへんはだいたいゲーム通り。ただカガリが妙に優しくなってるのに違和感……。アサトとコノエのやり取りはあいかわらず甘酸っぱく、カワイイです。そして吉良の村猫が操られるイベントに突入したんですが……お、長が死んじゃった!長あああああああああ!しかしこれで遠隔操作されてた村猫たちは、それが解けたあともコノエ殺せムードのまま。そしてアサトにコノエ殺すまで帰ってくんなと命令。
本当に行動の動機づけが微妙に弱い部分をこまかーくフォローしています。あ、あと一番の改変部分は、呪術師が藍閃のはずれの森ではなく、藍閃の街なかに住んでることでしょう。二つ杖のビルの上層部に本に囲まれて住んでるのでした。
これなあ……なんかわかる気がする。Lamento世界の近距離感をいっそう醸しているのが呪術師の祠だし…。どうせ近距離に感じるなら本当に近距離にしたれ!みたいなカンジでしょうか。たぶんこの先何回も呪術師を訪ねるのではと思われます。
お話はコノエの呪いがいったん解けるところまで。エロ気はほとんどないですが、ライさんが「俺の賛牙だ」とやたらアピールするとことか、ヴェルグがコノエを快楽で身もだえさせたりプチ萌えはありました。っていうかヴェルグ、媚薬なんて使わなくてもちゃんと快楽を与えられるじゃん。でもあのナチュラルハーブ系媚薬はヴェルグなりのこだわりなんでしょうか。
とにかく面白かったです!私としてはもう少しオリジナル要素があってもかまわないってカンジですが、淵井さんの解説によれば「後藤リウさんの描くラメントの物語が展開していきます」とあるので期待。
挿絵は、絵柄は好きなほうだし、いったんカラーを塗ってからグレースケールに落としたかのような手のこんだ塗りは好感度高いんですが、顔のアップが多いっーか、ほとんど顔のアップというのがちょっと気になりました。もうちょっとロングの絵もお願いします。
そんなわけで次巻が楽しみです。
これからフィギュアいじりでもします。キラル漬け生活…。
| 固定リンク
コメント