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2018年1月

2018年1月20日 (土)

どうしてアシスタント稼業はブラックになっちゃうのか

先日、ちょっと友人とアシスタント稼業についてつらつら話をしていました。

ここ最近、アシ稼業のブラックさについての話題が持ち上がっていたので。

私はデビュー前の2年とデビュー後2年ぐらいまでアシスタント稼業をやっていました。
ひとところに通っていたり、時おり臨時で入ったりと五箇所ほどの仕事場を回りました。

幸い私はブラックと思えるような仕事場に当たったことはないのです。
そりゃー時には徹夜したり風呂に3日ぐらい入れないときもありましたが、若かったし、そういう修羅場も非日常感で楽しかったのです。

ところでアシスタントと一口に言っても、その業務は非常に広義です。

私たちはアシスタントに関してざっくりと「基本アシ」「技術アシ」と大別しています。

基本アシというのは、消しゴムかけとかベタ塗りとかトーンのベタ貼りとか漫画力がなくてもできる作業をしてくれる人です。
私も新人の頃は、一般人の友人や妹に消しゴムかけやトーン貼りをしてもらったものです。

技術アシというのは、背景を描いたりトーンを削ったり、集中線を描いたりと漫画の技術がないとできない作業をしてくれるアシさんのことです。

とにかく昔は技術アシはもちろん、基本アシもいなくては仕事が回らなかったのです。

私が最初に入った仕事場でも、私は基本アシをやっていました。当時投稿していた少女誌の編集さんから連絡があり、やってみませんかと薦められたのです。
理由はもう100%、その先生と家が近かったからです。
で、当時の私は集中線を描くのに中心点をとることも、トーンを重ね貼りするときモアレが出ないように点を合わせることも知らなかったど底辺スキルで、先生も困惑したと思います…。
しかしそこで私は基本技術を学び、どこへ行っても最低限の仕事はできる程度に成長しました。そうして他の仕事場を回りつつ、やがてデビューもできたわけです。

つまり、最初の数年はお金をもらって勉強させてもらっていたわけで、ここにすごい価値があるわけなのです。
昔の仕事場はその倫理がかなり根付いていたような気がします。

基本アシをやりつつ育ててもらい、やがて羽ばたく…みたいな。
正直マジで漫画専門学校とか行くよりアシやったほうが学べるよ!といまでも思ってしまうわけですが、この「お金もらって勉強させてもらってる」という部分が、低賃金や多少の無体を蔓延させている一因かな…と私は思うのです。

でも現在はアシと作家の関係も変わってきています。

一番はデジタルの台頭です。
デジタルで作業することによって、基本アシの仕事はほぼなくなったといってもいいです。
ベタもホワイトもトーンも一瞬でできます。
それによって、作家側は技術アシしか入用ではなくなりました。みんな即戦力を求めています。私もそうです。

そしてそうなれば、作家とアシスタントの関係は師弟関係などではなく、お金を払って技術を提供してもらうギブ&テイクの関係です。

ブラックが発生するのは、古式ゆかしい師弟関係とか、学ばせてやっているという意識から来るんじゃないかなと思います。

作家側は形式上アシさんから先生と呼ばれますが、別に偉いわけではないです。
作家は原稿を完成させるための技術を求め、アシスタントさんはそれを金銭で提供してくれるのです。フィフティーフィフティーです。

あ、もちろん、そのアシさんの技術が自分の求めるレベルに足りてないときもありますから、そういうときはすいませんがご縁がありませんでした…スゥ…となるときもありますが、少なくとも、ちゃんと仕事として応えられると思うなら、お賃金の払いは誠実にしたいものです。
いちおうまあまあホワイトじゃないかなと自負はしています。

とはいっても、技術職として正当な金額をお出ししていたら、こっちの原稿料がなくなるという、漫画家としてもしょっぱい事情がありますので、互いの利害がちょうどいいところで擦り寄れるようにしたいものです。

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